「木の城たいせつ」とは

「たいせつ」は、宮大工「山口昭」氏が自分の技術と主張を形にした住宅メーカーで、
人間と自然と地域を守る家づくりをしています。

「木の城」はこういう家

   北海道の厳しい冬を基準に考えられています
 断熱能力が高く、暖房費が経済的です。(石油情報センターによる灯油消費実態調査によると、北海道の1世帯当たりの灯油使用量は1,912リットル(H12年12月23日日本経済新聞より)。わが家のひと冬の灯油消費量は770リットルです。)
 しかもペチカひとつで全室暖房です。(わが家の場合、トイレやバスルームを含めて、部屋毎の温度差は3度以内です。)
 本州メーカーのなかには生産性のために大量生産の本州基準にオプションの断熱気密装備を加えただけで北方住宅としているモデルもあり、最初から厳冬の北海道を考えて設計ざれていないため、後々になってから結露などの様々な点で問題が生じるほか、非常に短命に終わることが多いそうです。

   下請け業者にまかせません
 「木の城」は建築作業のほとんどを「たいせつ」の社員が行うため、信頼性があります。
 大抵のメーカーでは、基礎、鉄筋、コンクリ、足場、建物、壁、屋根、外装、内装、電気とそれぞれの別の業者に下請けに出すため、それがクレーム時の責任の押しつけ合いになったり、手抜き工事の原因になったりします。
 わが家の場合は、電気配線、クロス貼りとジュウタン敷き、玄関先のアスファルト、市町村指定の水道関係については他の業者が委託されて作業にきましたが、それ以外は基礎の穴掘りから工事後の清掃まで「たいせつマン」が全ておこないました。

   高断熱であっても高気密ではない構造
 今流行の高気密はビニールクロスなどによって密閉されることからもたらされる状態であるため、換気は空間強制換気システムだけに支えられていて、停電や故障、フィルターメンテナンスを怠った際には生命の危険にさらされることもあります。このことは北米では既に社会問題化しつつあります。高気密であるが故に室内汚染による新築病や中毒症状におちいることがあります。また、電力の自由化や経済事情やエネルギー事情により、日本も将来は停電が増えることが懸念されています。
 そのため、「木の城」では機械による換気は一切おこなっていません。空気は換気口のほか、換気と木の収縮のために匠の技術を応用して細工した建材の間を通ることにより充分に暖まってから室内に入る仕組みになっています。また、壁は空気を通す布クロスを使用しているため、家自体が呼吸して湿度の調整を図ります。
 他にはない「高断熱中気密」がどんな場合にあっても健康に住める秘訣です。

   住む人の健康を考えています
 普通の住宅の5倍以上の木を利用しているため、家自体が呼吸し、湿度管理などは家自身が勝手に行ってくれます。最近問題化しているホルムアルデヒドなどによる室内汚染、ホームシック症候群には、相当以前から対応しています。接着剤などは全て自然素材を用いていて、一切化学素材を利用していません。そのおかげでしょうか、喘息やアトピーなどのアレルギーの症状が軽くなったなどの治療効果も多く聞かれます。(私もそうです。)
 高齢になっても家の中を歩き回れるように階段は非常に緩やかになっています。これは、寝たきりになってからのことではなく、寝たきりにさせないという意図からすると非常にメリットがあります。
また、もし階段を踏み外してもこの緩やかな階段では下まで落ちることはまず考えられません。
 家の中はトイレも浴室もほとんど温度差がないので、血圧や脳障害、心疾患にも安心です。
 もちろん段差解消や手すりの設置などのバリアフリーも可能です。

   静かです
 「木の城」はガラス5枚の3重窓、大量の木材による吸音、ジュウタンの吸音により、大変静かです。外の雑音が入ってきませんし、中の音も外に漏れません。
 わが家では、ピアノを標準の音量で弾いていますが、外には注意しないとわからない位の音しか聞こえません。耳をすまさないとメロディーが聴き取れない位です。夜中に大音量でオーディオ鳴らしても大丈夫!(家族には迷惑ですが…)
 また、床を支える梁が太いこと、上階の床と下階の天井がそれぞれ別々の独立した梁によって支えられていること、下階天井と上階の間に断熱材が入っていて吸音材となっていることから、上の階の音は下に響きません。よほどドンドンとしない限り下には足音が聞こえません。
 この点については、ぜひマイホームセンターで他社のモデルと比較してみてください。
 
   地域の振興を考えています
 木の細工部分以外は全て北海道産の木が使われています。木は育った地域で最大の能力を発揮することからのメリットも大きいのですが、北海道の森林資源が循環利用されることによる森林の保護、そして結果的に地域の産業振興に役立っています。

   もしもに備えます
 その構造から、地震、津波、水害、雪害をものともしなかった多くの実績があります。
 階段などのつくりから、家内事故の発生を未然に防ぐほか、足腰の老化を予防します。
 家による湿度管理と、徹底した化学素材の排除から、アレルギー症状などの発症を妨げます。
 強制換気を必要としないことから、将来電力事情が悪化した場合でも換気に問題はありません。
 

「木の城」と他メーカー住宅との比較

項目 「木の城」の仕様 他の住宅メーカーの仕様
優先コンセプト 性能、安全、環境 外観、価格、利潤
工法 軸組壁パネル工法 壁工法(ツーバイフォー)又は軸組工法
極寒冷地仕様 当初から極寒冷地仕様 本州タイプに高断熱をプラス
施工  社員による生産・施工 下請け業者による生産・施工
主要建築材料 自社生産品 他の部材メーカー生産品
木材料 ほとんど北海道産材 南洋材や北米材などの輸入材
外観 3階建て 2階建て
屋根 無落雪 三角屋根
屋根材 ガンバリウム鋼板(トタンの3倍の耐久性) トタン板
屋根融雪 自然融雪 電気融雪又は自然落下
基礎 高さ2.4メートルのスラブ一体構造基礎 高さ0.5メートルの布基礎
基礎コンクリート 土木工事用コンクリート(耐用100年以上) 一般コンクリート(耐用50年)
ガレージ 1階設置 外設置
気密性 中気密 高気密
壁紙 布クロス ビニールクロス
壁紙接着剤 自然素材のり 揮発性化学合成接着剤
本絨毯、薬剤処理なし無農薬畳、無揮発フローリング 薬剤処理畳、揮発フローリング
換気システム 自然換気 強制換気
換気熱交換 ハメ込み組込み工法による木材の隙間 熱交換機
湿度調整機能 木部材による自己調整 除湿器及び加湿器
暖房 ペチカ仕様の石油ストーブ1台による全室暖房 セントラルヒーティング
冷房 湿度調整機能による体感温度の低下により不要 エアコン
ガラス5枚(復層ガラス2枚+単層ガラス1枚) ガラス2枚(複層ガラス1枚)
階段 18段 12段
浴室 カラマツ羽目板張り ユニットバス
室内空気汚染 化学素材を一切使用しないため発生しない 化学処理建材により家全体から発生
経年調節機能 ハメ込み組込み工法による隙間の自己調節 なし
耐震構造 足腰強く頭を軽くする基本構造
作り付け家具による下敷き防止
なし
想定寿命 100年(初期の性能を持続する期間) 20年(耐用期間)
廃棄方法 木材再利用可
焼却時ダイオキシン発生なし
焼却あるのみ
焼却時ダイオキシン発生

 リフォームが簡単という在来工法のよいところはそのままあります。
 間取りは自由にでき、三角形の部屋だってつくれます。
 もちろん住宅金融公庫の対象であり、高齢者対応や3階建、積雪地高床などの加算もできます。
 「たいせつ」の標準モデルにはないため、直接施工ではありませんが、家庭用エレベータの設置、ソーラー発電の設置、オール電化への対応も問題なくできます。
 注文住宅ですから、「木の城」標準でなくても、「たいせつ」指定のメーカーでなくても、照明をはじめシステムキッチンなど自己購入品の持ち込みも可能です。私の場合も物置にシンクを持ち込みましたが、何も指示していなかったのに、水の跳ね返り防止のステンレス板まで付けてくれて、綺麗に設置してくれました。
 

「木の城」の強度実物実験

実施年月日 1979年9月23日・24日
実施場所 栗山工場(住材高度加工物流センター)
実験依頼先 北海道工業大学建築工学科(遠藤明久教授(寒地建築)、西安信教授(環境工学)、武田寛助教授(構造力学))
実験方法 実物の在来工法1棟、耐雪ハウス(「木の城」の前身モデル:壁軸組工法)1棟を、実際に壊してみて強度を確認する。
当時の「耐雪ハウス」 在来工法住宅 説  明
積雪加重実験 600s加重時 28.0o 300s加重時 29.6o 屋根全体にかかる加重に対しての梁のたわみ
倒壊強度実験 30tの引き時70o 10tの引き時25o 横から引っ張りにおけるゆがみ
33.0tの引き時倒壊 16.5tの引き時倒壊 横から引っ張りにおける倒壊強度
時間をかけて馬がひざをついたような形になった。 突然パタンとつぶれた。 倒壊時の状況

 

「木の城たいせつ」経営状況

 東京商工リサーチ系経済誌「エラベル」における情報開示及び「木の城たいせつ」公開による平成8年度(平成8年6月から平成9年5月末まで)決算状況

 ・ 一貫した本業専念により、バブル期における不動産投機なし。
 ・ 前身である「耐雪ハウス」時代を含め、21年間連続黒字経営。
 ・ 自己資本比率 37.1%(住宅メーカー全国平均 14.5% 多いほど良い)
 ・ 固定費率 79.2%(住宅メーカー全国平均 174.3% 少ないほど良い)
 ・ 平成8年度完工棟数      703棟
 ・ 平成8年度連結売上高   183億円
 ・ 平成8年度純利益    5億5千万円

 データを見る限り、健全経営ですね。
 よく、やっかみから倒産の噂が流されるそうです。

※平成9年度以降の決算は現在調査中です。公開されているのですが、資料が手元にありません。
 完工棟数は平成9年が495棟、平成10年が483棟と減っていますが利益はトントンだと聞いています。また、受注減に際してはすぐさま平成9年末に従業員の3割削減を実施したほか、21年間積み立てた利益があるので、体力的には問題ないと思われます。
 志気も、やる気のある人が多く残ったので、変わりないようです。
 実際のところ、私の家では連絡もしていないのに、気が付いた時に点検に来て具合を確認してゆくなど、以前と変わらず細かなアフターサービスがおこなわれています。

値段はそれほど高くない

 4つのグレードがあり、外観の一部と細工や調度品、強度に若干の違いはありますが、暖房や環境などの基本性能はどのグレードも差ほど変わりません。
 上から、楡、桂、樺、白樺、という順番です。(「桧、楡、桂、樺、白樺、楓」という頃もあった)
 樺’97は坪37万円、白樺’98は坪35万円と、一般の住宅メーカーと比較しても決して高くはありません。さらに、この坪単価にはキッチン、浴槽、ペチカなど付属品が一切含まれています。
 最近は1階部分となる3層基礎を坪数万円と格安で提供しています。
 多くのみなさんが持っている「たいせつ」は高いという従来のイメージは過去のものです。

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